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『ハゲタカ』では冷徹なファンドマネージャー、大河ドラマ『龍馬伝』では熱き志を抱く土佐藩士、ビールのCMでは美人女将にタジタジのサラリーマンと、趣の異なる魅力的な男性を演じる分ける大森南朋さん。江國香織さん原作の映画『スイートリトルライズ』では、W不倫をする夫婦のラブストーリーに挑戦している。
――結婚3年目で心のすれ違いを感じはじめた妻・瑠璃子(中谷美紀)と、一途に想いをぶつけてくる後輩・しほ(池脇千鶴)の間で揺れる夫・聡という役ですが、大森さんには、この聡という男性はどのように映りましたか。
「普通に真面目な青年だと思いますよ。ちょっとしたきっかけで妻以外の女性と関係を持つようになってしまうけれど、こういう事もあるんだろうな、と思いました」
――ご自身に「似ている」と思うところはありましたか。
「台本を読むときには、自分の演じる役なので似ている部分を探しながら読むのですが、男として“わからなくはない”というのが実感です。瑠璃子に対する想いはきちんとあるのに、ふらふらしてしまう。そんな優柔不断な、男の心の揺れが演じられればいいな、と思いました。僕はふらふら系じゃないですけれど(笑)」
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――瑠璃子も年下の男・春夫(小林十市)と恋に落ち、聡もしほとの恋にのめりこんでいきます。ふたりは夫婦の“愛”を守るために嘘をつき、お互いの愛を確かめるために“恋”をしているように見えるのですが、“恋と愛”の違いって何だと思いますか。
「難しい質問ですね……。恋は一過性で終わってしまうけれど、愛はずっと続いてほしいと思います。なんて、上手いこと言っちゃいましたかね(笑)」
――大事なものを守るために嘘をつく。そんなふたりを演じて感じたことはありますか。
「完成作を見てビックリしました! 中谷さんと小林さんふたりの撮影の時、僕は現場にいないのでどんな事が起こっているのか知らなかったけれど、あんなに濃厚なラブシーンをしていたなんて。それでシラッと家に帰ってくる瑠璃子に、正直嫉妬しました(笑)。でも、中谷さんも「しほとあんなことをしてたなんて!」って言っていましたけど(笑)」
――自分の嘘はバレナイと思いますか?
「自分では大丈夫と思っていても、相手にはバレているかもしれないです。その点、女性は平気な顔して嘘をつける生き物なのではないかと。僕自身、もしかしたら嘘をつかれていることの方が多いかもしれないです(笑)」
――最近ついた嘘を教えてください。
「それは言ったらダメなんじゃないでしょうか(笑)。例えば先日、僕の誕生日に皆が内緒で誕生会を企画してくれていたんです。でも、そのことを僕は知っていたのに知らないフリをしていた、そんなカワイイ嘘をつきました(笑)」
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――瑠璃子としほというタイプのまったく異なる魅力的なふたりの女性がお相手ですが、大森さんはどちらの女性がタイプですか。
「生意気かもしれませんが、女性にはこのふたりの両方を持ち合わせていてほしい感じはしています。瑠璃子には才能があるし、その美意識を尊敬している部分はもちろんある。しほにはしほで甘えん坊の聡を引っ張っていってくれるパワーがある。実際に聡を演じていて、瑠璃子としほの間の居心地は良かったですよ。僕自身はどっちかといえば、瑠璃子の方が気になるかもしれないです。ちょっと面倒に思われがちな女性も嫌いじゃないのかなと(笑)」
――中谷さん、池脇さんという女優さんたちの印象は?
「池脇さんは、昔ドラマでご一緒したこともありますが、それこそしほのように元気な関西の女の子とう印象。昔からの知り合いとラブシーンをやるというのはもちろんテレます(笑)。中谷さんは、独自の空気感を持っている方。何気なくサラッと現実味のある発言をしたりするんですが、それに対して20秒後くらいにようやく気付いてビックリする自分がいるんです(笑)。そういう中谷さんの持っている“女性の奥深さ”が、瑠璃子にも現れてたんだと思います」
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――大森さんの理想の夫婦像は?
「友達みたいに、普通でいられる夫婦がよいのでは。この物語のように瑠璃子の空気感の中でずっと夫婦生活をしていたら、家に帰って来た気がしなくなるんじゃないかと思ったりしました。だから、聡は自分の部屋に閉じこもってしまったり、妻とは別のタイプのしほに転びたくなってしまうといういこともあるのでは、と」
――実際結婚したらどんな旦那さんになりそうですか。
「どうでしょう。奥さんが掃除機かけている傍で、ソファに座って足を上げることしかできない旦那さんになってしまいりそうですね(笑)」
取材・文/坂本ゆかり
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『スイートリトルライズ』
人気テディベア作家の瑠璃子(中谷美紀)と、サラリーマンの夫、聡(大森南朋)。子供はおらず、いつまでも恋人同士のような雰囲気さえ残す2人の間には、穏やかで静かな時間が流れている。はたから見ると理想的な夫婦だが、結婚して数年、自然と体の関係はなくなっている。それでも自分と聡は繋がっていると信じる瑠璃子は、不幸ではないが、時々どうしようもない飢餓感に苛まれる。ある日、瑠璃子は自身のベアの個展で青年・春夫(小林十市)と出会いあっという間に恋に落ちてゆく…。そんな時、聡もまた、自分に好意を寄せる後輩・しほ(池脇千鶴)と再会し、積極的にアプローチしてくる彼女に次第に惹かれていく。それぞれ別の相手と恋を始める2人。だがそこには醜い修羅場もなければ、身悶えるような罪悪感との戦いもない。2人の間には、甘やかな嘘が静かに積み重なってゆくだけ…。

中谷さんはこの作品を「湿度の高い映画」と例えていた

大森さん演じる聡は、IT企業勤務のサラリーマン。大学時代はダイビングサークルに所属。

中谷さん。大森さん共に不倫相手との濃厚なラブシーンが…
